運動器の機能が低下、あるいは機能に障害が起こることによって、日常的な移動が困難になってしまう状態のことをロコモといいます。自分の足で立つ、歩くといった動作が難しくなることで、家に閉じこもりきりの生活になったり、孤立したり、寝たきりになってしまったりと重大な問題を引き起こすリスクを抱えています。それだけにそうならないための予防が非常に重要となってきます。そのためには原因をよく知ったうえで日頃から対策を行っていくことが求められます。
そんなロコモの原因は大きく分けて3つあります。まず、加齢と運動の機会の減少がもたらす筋力の低下です。そもそも体を支えたり動いたりする筋力が失われることで動けなくなってしまう、シンプルと言えばシンプルな原因です。問題なのは運動不足の環境が筋力を低下させ、それがますます運動の機会を奪うという悪循環に陥るケースが非常に多いことです。
2つ目は、その筋力低下がもたらす体のバランス能力の低下です。例えば、膝関節は筋肉によって支えられている面もあり、筋力低下が膝痛の原因にもなります。ほかにも、腰や背中も本来支えていた筋肉が減少することで、痛みを感じるようになる可能性もでてきます。
そして3つ目は、骨や関節に異常をもたらす病気です。変形性膝関節症は、まさにその代表格ですし、女性にとっては骨粗鬆症が非常にリスクの高い病気となっています。ほかには、がんが骨や関節に異常をもたらすことで注意が呼びかけられています。
病気に関しては早期発見と治療、他の2つに関しては日頃から体を動かす機会を作ることで予防対策につながります。これらがロコモ対策の重要なポイントとなってくるでしょう。